hero image

リポジトリ数が1億件に達しました!

Image of Jason Warner

2018年11月8日米国時間、GitHubは1億件のリポジトリという、大きなマイルストーンを達成しました。大きなコミュニティの力なくして、このようなマイルストーンは達成できませんでした。世界中のほぼすべての国や地域にいる、3,100万人の開発者が互いに協力することで11億件ものコントリビューションを行っています。

リポジトリは単にコードを保存する場所だけではなく、アイデア、実験、好奇心、インスピレーションが生まれる場所でもあります。このマイルストーンを祝うとともに、何百万人もの人が一緒に仕事をした結果としての開発環境におけるトレンドや功績を、The State of the Octoverse 2018(2018年10月時点の統計情報)を見ながら振り返ってみましょう。
Octoverse 2018のテーマは、11億にのぼるコントリビューションと、かつてないほど多くのプロジェクト全体で成し遂げられたコラボレーションです。

Octoverseの注目すべきハイライトを以下に日本語で紹介します。レポートの全文はこちら(英語)で確認できます。本レポートは2017年10月1日から2018年9月30日までの統計情報です。

3,100万人以上の開発者

GitHub上で構築を行っている開発者は3,100万人を超えており、そのほとんど (80%) は、米国外からのアクセスです。実際のところ、GitHubコミュニティには世界中のほぼすべての国と地域の人々が参加しており、現在も成長を続けています。
昨年は、800万人以上の開発者が新たにGitHubを利用し始めました。2018年の現時点までに新しく追加されたアカウント数は、GitHubの最初の6年間の合計数を上回っています。そして、そのペースが落ちる兆しは現在もありません。2018年には、ユニークコントリビューターの数が2017年よりも1.6倍増えています。日本は7番目にコントリビューションが多い国です。

contributioncountry

210万を超える組織

GitHubを利用している組織は、パブリックリポジトリとプライベートリポジトリ全体で210万を超え、2017年から40%以上増加しています。また今年、GitHub上の組織アカウントの数は、特に中東と東南アジア全域で、昨年より急増しています。

リポジトリ数が1億件に達しました!

2008年には約33,000件のリポジトリしか存在していませんでした。今日では、平均して毎秒1.6件のリポジトリが作成されています。また、現在GitHub上に存在するリポジトリの3分の1近くが、昨年だけで作成されたことがわかっています。多くの開発者がGitHub上でコードをホスト、ビルド、共有していることの表れでしょう。

過去10年にわたり、インパクトのあるプロジェクトがGitHub上で作成され、成長してきたのは喜ばしいことです。Railsは、そのプラットフォームがまだ公開されていない時点でGitとGitHubに移行しました。Node.jsは2009年にGitHubでローンチされました。他にも、GitHub上ではSwift、.NET、およびPythonなどもホストされるようになりました。何千人ものコントリビューターによってサポートされているこれらのプロジェクトは、開発ツールがどのように進化し、コミュニティに貢献しているかを表しています。

今年は、個人や大規模な組織が数多くのプロジェクトを開始しました。Definitely TypedGodotKubernetesPyTorchなどのプロジェクトは、急成長しているプロジェクトです。

上位オープンソースプロジェクト

上位に入っているプロジェクトを見ると、コード編集、自動化、コンテナ化、文書化などを駆使して「ソフトウェア開発を容易にする」というテーマ性が見えてきます。

TopOpensourceProject

急成長しているオープンソースプロジェクト

昨年は、機械学習、ゲーム、3D印刷、ホームオートメーション、データ分析、およびフルスタックJavaScript開発に関連するプロジェクトが成長していることがわかりました。

FastestTopOpensourceProject

人気のあるリポジトリトピック

今年も多くのオープンソースのリポジトリが作成され、それらトピックは数千件にも及んでいますが、以下が最もコントリビューションが多かったリポジトリです。

PopularRepoTopics

過去12ヶ月間において、フロントエンドおよびバックエンドのJavaScriptに関わるトピック、機械学習、モバイルアプリケーション開発、コンテナ化は、オープンソースソフトウェアの大きな傾向であったと言えます。 2017年には、「ゲーム」、「ディープラーニング」、「ライブラリ」などのトピックもトレンドとなっていました。

リポジトリが作成される国

GitHubは、特定の問題を解決しようとする少数の開発者によって始まりました。しかし今や、グローバルなオープンソースコミュニティの本拠地です。また、米国外のオープンソースに対するコントリビューションの割合は毎年増加を続けています。

RepoCreatedCountries

世界のどこよりも多くのリポジトリがアジアからのユーザーによって作成されています。また、中央アジア、中東、アフリカからのユーザーによるリポジトリ作成は目覚ましいものがあります。先進国からのリポジトリの増加もありますが、新しいテクノロジーコミュニティが成長し、新しい技術がよりアクセスしやすくなるにつれて、新興国でも同様の傾向が見られています。

エジプトの開発者は、2倍のパブリックおよびプライベートリポジトリを作成しました。ナイジェリアでは、開発者コミュニティの増加に伴い、2017年に比べて1.7倍多くのオープンソースリポジトリが作成されました。

リポジトリが急ピッチで作成されている国(2018年9月30日現在)

Top5RepoCreatedCountries

オープンソースリポジトリが急ピッチで作成されている国(2018年9月30日現在)

Top5RepoCreatedCountriesOSS

2億件を超えるPull Request

GitHubでは、2010年にPull Requests 2.0の提供を開始しました。以降、GitHubコミュニティで2億件を超えるPull Requestが開かれており、その3分の1強はこの1年間に開かれたものです。2億件目のプルリクエストは、VueのセマンティックコンポーネントフレームワークであるVuetifyにマージされました。

500万件を超える脆弱性アラート

2017年11月にセキュリティアラートの提供を開始して以降、開発チームが関係するオープンソースプロジェクト全体で、500万件を超える脆弱性アラートが通知されました。そのうち、80万件以上が解決済みです。

エコシステム全体でアプリのインストールが2倍に増加

GitHubにアプリをインストールしたことがあるユーザーの数が、この1年間で倍増しました。さらに興味深いことに、組織のメンバーがGitHub上でアプリを使用していると、その実質的な貢献は2倍以上積極的になっています。

その他の情報

ここまで、GitHubコミュニティがどれほど成長したかをお伝えしましたが、この他にもデータ分析から数多くの発見がありました。ここで、いくつかご紹介しましょう。

  • JavaScriptはパブリックとプライベートのリポジトリ、あらゆる規模の組織、世界のあらゆる地域において最も人気のある言語です。
  • TypeScriptは、昨年初めて初めてトップ10に入った後、今年は7位にまで上昇しました。

popularlang

  • Kotlin、TypeScript、およびRustは今年急成長しています。また、DevOpsで使われるHCLの利用は2017年以来2倍以上になりました。機械学習プロジェクトで人気があるPythonは#8です。Goも、今年は昨年よりも1.5倍に増えています。

growinglang

  • Rubyのコントリビューターは、他のプログラミング言語のコントリビューターよりも、IssueやPull Requestのコメントにリアクションを多用しています。
  • チェコ共和国のオープンソースコントリビューターは、特に「チャット好き」です。
  • 世界中の開発者がそれぞれ休暇を取りますが、GitHubが最も静かになるのは元日 (1月1日) 前後です。
  • オープンソースのコミュニティは、コントリビューションの時間を設けていて、コントリビューターは夜遅くまでOSリポジトリで作業しています。

Thank you

GitHubサービス開始から10年が経ち、リポジトリ数も1億件に達成した今日においても、GitHubはまだスタートラインに立ったばかりだと感じています。みなさん協力のもと、単一のリポジトリやプロジェクトでは達成できない、とても大きな未来を開発していると感じています。GitHubは、ソフトウェアを目に見える形で革新させるコミュニティです。

今まで、そして今後も、GitHubとともにソフトウェアを開発していただけることに感謝します。そして、次の1億件のリポジトリで一緒に開発するものを楽しみにしています。