GitHubを活用した、赤十字と国連のためのクライシスマッピング
一体何人の学生が、初めてコードを書いてから数週間で、現実の緊急課題に自分の技術的な能力を活かせるでしょうか? 青山学院大学相模原キャンパス古橋大地教授の「空間情報システム入門I」講座では、学生が赤十字、世界銀行、国連、国際協力機構(JICA)などの組織と協力して、災害救助活動を支えています。 クライシスマッパーズ・ジャパン理事長の古橋氏にとって、講座の主な設計理念は学生の積極的な参加と学習です。この比較的新しい講座で、学生は大きな問題を解決する新しいツールを協力して作成できるよう学んでいます。 古橋氏のコースは災害による被害の軽減を目的としており、NGOや産業パートナーが安心して活動できるよう、学生は正確かつ最新のデータ提供にさまざまな側面から取り組んでいます。 地球社会共生学部の設計理念とコラボレーション OpenStreetMapからGitHub Gistへ 2017年7月、福岡県朝倉市地域は豪雨と洪水に見舞われました。この地域の住民は孤立し、水や食料といった物資が大至急必要でした。 赤十字などの組織はHumanitarian OpenStreetMap TeamのTasking Manager (略称HOT)を活用し、被災地域の分析リクエストを投稿しました。 古橋氏のクラスの学生は、Humanitarian OpenStreetMap Tasking Manager (略称HOT)からのマッピングサポートリクエストに応じました。 探査ドローン、衛星、パノラマカメラなどから被災地域の写真が届くと、学生はそれを基に、土砂崩れ、倒木、崩落した橋など、被災地域の状況を示す多角形を地図上に描きました。その後、GeoJSONデータをGitHub Gistファイル(例)にエクスポートし、分析結果をHOT経由で赤十字に返しました。 この地図は、2017年6月30日の台風3号による豪雨の状況を示したもので、国土交通省のヘリコプターから撮影された画像を基に作成されています。多角形と線は、土砂崩れや洪水により寸断されている可能性がある道路を示します。 学生が作成した多角形とデータ分析は、支援団体による支援物資の送り先や、洪水と土砂崩れによる被災者の捜索範囲の決定に貢献しました。危機的状況にある地域を支援することで、学生は常に現実的で急を要する問題に取り組んでいます。 日本語版GitHub 101 オープンストリートマップ・ファウンデーション・ジャパンの理事として、古橋氏は自身が参加するオープンソースコミュニティに学生を直接かかわらせています。つまり、学生はGitHub Flowをマスターし、GitHub Pagesを使ってポートフォリオサイトを作成して、オープンソースコミュニティに参加しているということです。 古橋氏はスライドデッキを作成して、オープンソースの世界を紹介し、学生がGitHubの世界に入りやすくしています。これらのスライドは、当然オープンライセンス(CC BY-SA 4.0)です。